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ヒグチ タロウ
HIGUCHI Taro
樋口 太郎 所属 大阪経済大学 経済学部 経済学科 職種 准教授 |
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発表年月日 | 2008/11/30 |
発表テーマ | なぜ「能力」を論じる必要があるのか |
会議名 | 教育目標・評価学会第19回大会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 東京学芸大学 |
発表者・共同発表者 | 樋口太郎 |
概要 | 本発表では、第一に「能力」という発想を私たちが必要必要としてしまう社会的現象がある、第二に「能力」という概念を用いることで社会の存立構造を説明できる、第三にあるべき社会像を構想するうえで限られた資源として「能力」を論じる必要性がある、という三つの「能力」を論じる根拠について考察した。第一、第二の課題については、「経済成長」と「社会統合」という二つの観点から「能力」の論じられ方を確認し、両者の関係性を示した。そして第三の課題について、①まず、「何の平等か」を明確にするための共通の尺度を設定する規範理論の必要性を確認した。②次に、規範理論における「教育の視点」の重要性、すなわち教育とは社会に対する責任を担い得る成員を産み出していくという意味での共通資本であることを規範理論の歴史から確認した。しかし、こうした見方は「能力」という発想以前の「関係性」(コト)を強調するばかりで、社会理論としての強度を有しないことを指摘した。③それに代わり、マルクスの労働力商品説に関する議論を見ることで、労働者を搾取から守るために労働力を個人の帰属するモノとして捉えることの可能性を示唆した。 |